せどりも商品レビューもやめた私は、また副業を探すようになりました。
この副業は――まだ続けています。だからこそ、書ける教訓と書けない苦い思い出があります。今回は、その中でも一番大きな失敗の話です。
なぜFXを始めたのか
せどりも商品レビューもやめた後、また「次は何か」と副業を探していました。
「やっぱり、簡単に稼ぎたい」。そう思ったときに見つけたのが、FXでした。
「なんかよさそう」。当時、レバレッジをかけて少額で大きな利益が出せる、夢のような世界に見えました。とりあえずやってみることにしたのです。
最初の半年は調子が良かった
FXを始めた当初、私は比較的慎重に小さく取引をしていました。
すると、最初の半年ほどで300万円ほどの利益が出たのです。当時の私にとって、300万円は途方もない金額でした。「こんなに簡単に儲かるのか」と、心の中で何度も思いました。
調子に乗ってロットを増やした
300万円の利益が出た瞬間から、私は変わりました。
「もっと大きく張れば、もっと儲かる」。「この勢いなら、まだ上がる」。そう考えた私は、ロットをどんどん増やしたのです。
レバレッジを上げて、取引の量を上げて、1回の利益を大きくしようとしました。
利益を全部吹っ飛ばした
ロットを増やしてしばらくの間は、確かに利益は増えていきました。
しかし、一度逆行が始まったら、損失も同じスピードで拡大しました。ロットが大きい分、利益も損失も一瞬で跳ね上がる。気づいたときには、あの300万円の利益は全部吹っ飛ばしていました。
取り返そうとして、種銭まで消えた
利益を失った私に浮かんだのは、「取り返したい」という一心でした。
やればやるほど、損失は膨らんでいきました。負けた分を取り返そうとする心理が、さらにロットを上げて、さらに大きな損失を出す。「やればやるほど赤字」という、典型的な負けパターンでした。
結果として、利益を取り戻すどころか、種銭(最初に預け入れた元手)までほとんど消失しました。
いつの間にか、FX口座の残高は、始めた頃の何分の一になっていました。
FXから学んだこと
投資で成功している人たちの話を聞いていると、彼らの共通点は、結局のところロット管理を徹底していたということでした。勝っている時でもロットを上げず、決めたルールを守って淡々と取引をしていた。私ができていなかったのは、この部分です。
そして、もうひとつ。FXでは感情に飲まれたら負けるということを、私は身をもって知りました。利益が出ているときは「もっと張れば」と欲が出る。負けているときは「取り返したい」と焦る。そのどちらも、取引においては判断を狂わせるノイズです。
私は、調子に乗ってロットを上げた。利益が消えたときに取り返そうとして、さらにロットを上げた。どちらも、感情に振り回されていた結果でした。
今もFXを続けている理由
正直に言えば、私はまだFXを辞めていません。
ただし、取引額は当時の十分の一以下に落としています。毎月コツコツ、小さな利益を積み重ねるスタイルに切り替えて、何年かやっています。「数百円の利益をチリも積もればで積む」という地味なやり方です。(辞めなければ負けじゃない)
それでも、「あの時ロットさえ上げていなければ」「あの時冷静に損切りできていれば」と、思うことは何度もあります。失った金額のことを考えるたびに、当時の自分を殴りたい気持ちになります。
これからFXを始める人へ
同じ失敗をする人を増やしたくないので、一言だけ残します。
- 最初に作ったルール(ロットの上限・損切りライン)を、勝っている時ほど絶対に破らない
- 「取り返したい」と思った瞬間に、いったん取引画面を閉じる
- 種銭は、失っても生活に困らない金額だけにする
投資は自己責任です。私がFXで失った金額は、FX以外の生活を圧迫するものではありませんでした。それでも、あの時の虚しさと後悔は、10年以上経った今でも消えていません。
同じように「なんかよさそう」と思ってFXを始める人がいたら、私の体験を反面教師にしてほしい。最初にロットを上げない勇気。これが、10年以上前の私が持てなかった一番大切なものです。


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